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長い歴史の中で培われた、自然界の恩恵に与る漢方が、現在見直されています。 便利な物を大量生産・大量消費し、昼夜問わず人々が忙しそうな現在の日本ですが、 ちょっと立ち止まって自分の身体の声に耳をすませ、 自然の中でゆっくりつくられたオーダーメイドの漢方を体験したり、漢方の考え方による生活の工夫をしたり、そんな漢方流スローライフを送ってみませんか? |
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● 漢方が求められている現在 |
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様々な医薬品や医療技術の発達などに支えられて、現代医学(西洋医学)は目覚ましい発展を遂げてきました。 しかし一方では近年、生活習慣病やアレルギー性疾患、婦人病などで悩んでいる人が増えています。これらの病気は原因が1つに特定することができず、「病気の原因を攻撃・除去する」という西洋医学の考え方だけでは、解決が難しいと言えるのだと思います。 そこで、日本の伝統医学でもある漢方の出番となってきているのではないでしょうか。 |
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漢方の大きな特徴は
1.「オーダーメイド医療」と呼ばれるように、身体は一人一人みな違うため、一人一人の症状や経過から個別の治療方法をとることです。 2.「自覚症状(生の声で発せられる事柄)を大切にする」ことです。西洋医学では取り上げない事柄まで詳しく尋ね、その人の感じている調子の悪さを改善することを目的とします。特に「心と体は一体のもの」ととらえ、精神的な事柄を常に重視します。 3.病気を「身体全体の均衡が崩れた状態」ととらえ、治療の基本を「バランスを調整すること」に置いていることです。 人間の身体には自分で自分の身体を治そうとする力(自然治癒力)が備わっており、それをうまく引き出す手助けをするのが漢方なのです。 漢方は、慢性的な症状や病気の体質改善や、はっきりしない不調(病院では異常なしと診断されたが、不快な症状がある)、病気に向かう前の症状=未病(みびょう)(生活習慣病などは、検査値異常そのものは病気ではないが大きく命にかかわる病気になりやすいので未病と言えます)などに特に効果的と言えます。 基本に、西洋医学は科学的・分析的な思考、東洋医学(漢方)は自然哲学的・総合的な思考があり、相反するところもありますが、両方の良いところを利用することも出来る時代です。例えば、手術で悪いところをとったあと全身状態の改善を目的に漢方薬を使うなど。西洋医学と漢方とはお互いに補充し合う関係になってきています。 |
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「漢方」とは、「現在日本で行われている中国系伝統医学」のことを言います。現在の中国で行われている伝統医学は「中医学」とよばれ、漢方とは区別されています。 日本は6世紀ごろから中国との交流がさかんになり、中国の医学が日本に伝来してきました。そしてその後日本で独自に発展していきます。18世紀になると西洋医学が入ってきますが、その時はオランダ医学が主流だったために蘭学・蘭方とよばれました。この蘭学・蘭方と区別するために、それまで主流であった日本の伝統医学を「漢方」と呼ぶようになったというわけです。 つまり、「漢方」は中国医学を基礎に日本で発展した日本の伝統医学といえます。 |
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19世紀に入って西洋医学が中心になり、日本では医学=西洋医学となってしまいました。 そして近年になり、西洋医学だけでは解決が難しい病気や、漢方のほうが治療が得意な症状や病気も多くなり、漢方が見直されてきているのです。 |
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漢方薬は生薬(しょうやく) を組み合わせたものです。生薬とは自然界の動植鉱物のうち、薬効成分をもったものを薬として加工したものです。 生薬の原料の8割は草木類で、樹皮、茎、根、葉、果実、花、種子などです。2割は、動物の皮、骨、内臓や、貝殻や昆虫、そして一部の鉱物です。これらを、加熱したり、塩水に浸して乾燥させたり、砕いたり、ひいたりして適した形状にし、生薬になります。 漢方薬は生薬2種類以上を決められた比率で組み合わせたものです。 |
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漢方薬の名前の一番下に「湯(とう)」「散(さん)」「丸(がん)」「膏(こう)」といった薬の状態を示す言葉があります。 これは、昔の人の長い経験から、どの形が一番効くかを見極めて、処方名の最後につけて飲み方を指示しているものです。 1.「○○湯」 例:葛根湯(かっこんとう)
煎じて飲む漢方薬。漢方薬に水を加えて煮つめて飲みます。水に溶ける成分を飲み、溶けない成分はカスとして捨てる物の中に残っています。 2.「○○散」 例:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 粉薬で飲む漢方薬。原末といい、生薬をそのまま粉にひいたものです。水に溶ける成分のみを飲む煎じ薬とは異なり、水に溶けない成分の中によく効くものがあるので、カスを捨てずに全部飲むという目的で、粉にして飲みます。 3.「○○丸」 例:麻子仁丸(ましにんがん) 原末(粉)をまるめて丸薬にして飲む漢方薬です。散と同様、水に溶けない成分も飲むことができますが、飲んだ後に徐々に溶けていき、時間をかけて少しずつ効き目を出すという目的で、丸薬にしています。 4.「○○膏」 例:紫雲膏(しうんこう) 生薬とゴマ油などから作られた軟膏。皮膚につける漢方薬です。 そして、日本で現在最も普及しているのが 5.「エキス剤」です。 「エキス剤」は生薬を煎じた液を濃縮・凍結・乾燥させ、粉末状や顆粒、錠剤などにしたものです。 簡便に飲むことができますが、煎じ薬、散薬、丸薬など本来の漢方薬の形の方がより高い効果が得られることは間違いないところです。 |
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一人一人の症状を改善するための漢方薬は西洋医学の病名ではなく、漢方独自の考え方によって選ばれます。 「虚実(きょじつ)」「陰陽(いんよう)」「五行(ごぎょう)」「気血水(きけつすい)」「経絡(けいらく)」という漢方の基礎理論がもとになります。 そしてこの理論をもとに体質や症状などから漢方薬を選ぶのは、漢方医、漢方薬剤師の役目であると考えます。 漢方薬は専門家に相談して自分にあったものを選んでいただきたいと思います。 |
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